日系企業がベトナムでビジネスを行う際の、労務上の主な留意点を全6回の連載にて解説いたします。
【第4回】
ベトナムの社会保障制度について
ベトナムには下記の3種類の社会保障制度がある。各社会保障制度の適用対象者や料率等は法改正により変更があり、現在の法令を確認することは保険料の払い洩れ等を防ぐうえでとても重要となる。詳細は以下の通り。
(※1)外国人であっても、社内異動により一時的にベトナム現地法人に赴任する者またはベトナムの定年に達している者は対象外とすることが可能とされている。
(※2)試用期間中は保険料納付の義務は無いため、試用期間中に労働者が労働災害にあっても保険料未払い期間については保険の適用を受けることができない。ただし、使用者は応急処置・救急から安定するまでの治療費、休業する治療期間中の賃金の支払義務があるとされているので注意が必要。
- 保険料を算出するうえで、料率をかける元となる算定基礎額は、労働契約に基づく給与、給与に基礎を置く手当およびその他の補充項目が算定基礎に含まれる。つまり業績連動した賞与やテトボーナス等を除き、毎月定期的に支給される諸手当は日本同様にほぼ算定対象とする。(一部現物給付した食事や住宅手当等は算定対象としないことが可能)
- 保険料の上限額は公務員に適用される最低賃金の20倍が算出対象額となる。ただし、毎年最低賃金は改定されているために保険料上限額もそれに伴い改定されるので注意が必要。